潮だまり堤

人と海が共生する新しい沿岸環境へ

人のためにつくられた港湾施設に、
自然回復の価値を。

潮だまり堤は、港湾施設や離岸堤などの既存構造物を活用し、
海洋生物の育成と自然回復の価値を付与する新しいアプローチです。
ジャングル藻礁や海底改良技術などを組み合わせ、
傷ついた沿岸海域を、魚たちが暮らし、人と海が触れ合う場所へと再生します。

潮だまり堤とは?

潮だまり堤は、沿岸海域に半閉鎖的な水域をつくり、
海藻の生育と魚類の回帰を促す
「環境創造型の海域再生手法」です。
海藻が育つ藻場を再生し、魚たちの“衣・食・住”を整え、
人と海が出会う新しい接点をつくる。 そして、港湾施設に
“第二の価値”を生み出す取り組みでもあります。

セクション 1

潮だまり堤を構成する技術

潮だまり堤は、決まった技術の組み合わせで完成するものではありません。 海藻の生育を促す構造体、海底環境を整える技術、波を調整するリーフ構造など、 複数のアプローチを組み合わせながら進化し続ける“環境創造のプラットフォーム”です。

潮だまり堤は「進化し続ける器」です

潮だまり堤は、特定の技術で固定されるものではありません。 海藻育成の新技術、海底改良の新素材、AIによる海域モニタリング、 自然エネルギーを活用した循環システム、地域の知恵や文化、 観光・教育との連携など、未来のアイデアを自由に取り込める“開かれたプラットフォーム”です。「こんな技術も使えるのでは」 「自分の地域でも応用できるかもしれない」 そんな発想が自然と生まれる余白をあえて残しています。潮だまり堤は、財団だけでなく、 多様な専門家・企業・地域の人々とともに育てていく“共創の器”です。

財団が描く「理想形」のビジョン動画

潮だまり堤が未来にどのような姿になり得るのか。 財団では、その理想形を描いたコンセプトムービーを制作しています。 海藻が揺れ、魚たちが集う豊かな海。 人と海が触れ合う新しい沿岸空間。 技術が自然と調和しながら、地域の海を再生していく姿。そんな未来像を、直感的に感じていただける内容です。

セクション 2

潮だまり堤がもたらす効果

潮だまり堤が生み出す変化は、海藻の復活だけにとどまりません。 海藻の光合成によって海水温が適正に保たれ、温暖化で居場所を失いつつある魚たちの“衣”が守られます。 潮だまり内部では栄養塩類がとどまりやすく、プランクトンから小魚、大型魚へとつながる食物連鎖が再び機能し始めます。 複雑な構造体と豊かな海藻がつくる空間は、産卵場や隠れ家、休息場所となり、魚たちの“住”を支える安全な環境を育てます。潮だまり堤は、 「衣・食・住」すべての側面から沿岸の生態系を立て直す仕組みです。

セクション 3

実証プロジェクト(江差港)

北海道・江差港では、潮だまり堤を用いた「ニシン回帰プロジェクト」が進行中です。 港湾施設を活用した潮だまり堤の構築、ジャングル藻礁の設置、海藻の生育状況のモニタリング、魚類の回帰状況の調査など、 “藻場の再生”と“魚の回帰”を同時に検証する取り組みが行われています。かつてニシンが押し寄せた海に、もう一度、命の循環を取り戻すための挑戦です。

セクション 4

未来の展望

潮だまり堤は、沿岸環境の再生プラットフォームとして、全国の港湾・漁港へ横展開できる可能性を持っています。 地域ごとの海藻種や海底環境に合わせてカスタマイズでき、企業や自治体との共同プロジェクトにも発展しやすい柔軟な構造です。 さらに、藻場が吸収する炭素や海藻の光合成による冷却効果は、将来的にカーボンクレジットなどの環境価値として活用できる可能性もあります。潮だまり堤は、 地域の海を再生しながら、未来の社会に新しい価値をもたらす“ひらかれた仕組み”として進化していきます。

あなたの力を発揮してください、
豊かな海を取り戻すために

沿岸海洋生物資源の回復は、どれほど熱意があっても私たちだけでは成し遂げられません。
地域の自治体や漁業関係、企業、サイエンスやテクノロジーの専門家や研究者、
賛同いただける企業や人々など、異なるさまざまな個性や能力が集まることで、はじめて実現するのです。
どうか、あなたの力を存分に発揮してください、魚たちがいきいきと棲む豊かな海のために。