ニュースリリース

News release

沿岸海洋生物多様性保全の研究開発支援プロジェクト発表記者会見を開催

 一般財団法人 潮だまり財団(東京都渋谷区、代表理事:川口晋、以下、潮だまり財団)は、荒廃しつつある沿岸海洋生物資源の回復を目的に2024年4月に設立しました。吟味選定された沿岸海域で、藻場を形成するアマモをはじめとする沿岸海洋生物資源回復のための効果的かつ具体的な方法「潮だまりメソッド」の追求・考察を進めています。海洋環境が著しく変化し、技術的な発展が進むことを鑑み、この度新たに知見を創造し、広く集めるための研究開発支援プロジェクトを開始します。
 2024年9月19日(木)、株式会社イノカ(所在地:東京都文教区、代表取締役CEO:高倉 葉太)にて、海洋生物多様性保全の研究開発支援プロジェクトの発表記者会見ならびに授与式を開催します。記者会見では今後の活動の礎となる「潮だまりメソッド構想」を発表します。

概要

  • 主 催:一般財団法人 潮だまり財団
  • 日 時:2024年9月19日(木)15:00~16:30 (14:45受付開始)
  • 場 所:株式会社イノカ(東京都文京区後楽2丁目3-21 住友不動産飯田橋ビル 1F)
  • 内 容:

    ・潮だまり財団の設立経緯
    ・「潮だまりメソッド構想」の発表
    ・研究支援の概要説明と授与式
    ・潮だまり財団の新たな取り組みの発表
    ・有識者による潮だまり財団への期待
  • 登壇者:

    ・川口  晋  一般財団法人潮だまり財団 理事長
    ・篠澤 裕介  一般財団法人潮だまり財団 理事(株式会社リバネス 執行役員)
    ・高倉 葉太  一般財団法人潮だまり財団 理事(株式会社イノカ 代表取締役CEO)

    <研究採択者>
    ・松岡  怜  東京大学大学院 農学生命科学研究科生圏システム学専攻 修士2年
    ・吉澤 聡一朗 東京海洋大学 海洋生命資源科学専攻 修士2年

    <プレゼンター>
    ・楠部 真崇  和歌山工業高等専門学校 生物応用科学科 教授

【潮だまり財団の設立背景】
 現在、日本における海域の環境保全のための方策として、高度な排水処理や排出規制などの対策が取られています。しかしその結果、海域の水質改善は得られたものの生物資源の回復には至らず、却って減少の一途を辿っています。さまざまな要因が考えられますが、ただ単に水域に生育する生物に任せて改善を待つだけでは、生物資源の回復という成果は一向に得られません。手付かずの海が何よりの自然保護への対策であるという考えは、人の手で撹乱してしまった自然に対しては意味をなしません。撹乱し荒廃させてしまった沿岸海洋生物資源の復活に向けて、手塩にかけた回復のための対策を講じることが何よりも必要であると考え、潮だまり財団を設立する運びとなりました。

【「潮だまりメソッド構想」確立のための新しい取り組み】
 潮だまり財団は、新しい沿岸海洋生物資源の回復のための効果的かつ具体的方法「潮だまりメソッド」を考察するべく、株式会社イノカの環境移送技術®を活用したアマモの生育条件の特定と閉鎖環境下でのアマモの累代飼育システム開発を開始しました。現状、アマモをはじめとする藻場造成に関する課題として、種の安定的入手の難しさや発芽率の悪さ、植苗した後の成長が困難であるなど多岐に渡ります。アマモの生育条件の特定と閉鎖環境下でのアマモの累代飼育システムが確立することによって、アマモ場造成の非常に重要な技術となります。アマモの累代飼育を確立し、革新的な生態研究を進め、「潮だまりメソッド」を確立してまいります。

【研究助成】
 荒廃しつつある海を取り戻すためには、技術やアセットをもつ研究者と、地域の海を保全するために活動を続ける団体、環境問題や海洋保全に関心を持つ将来世代が集まり、異分野のチームによる知識製造を加速する必要があります。今回、潮だまり財団は、教育・人材・研究・創業に関わるさまざまな課題の解決を事業として進め、知識プラットフォームを有する株式会社リバネス(所在地:東京都新宿区、CEO:丸 幸弘)が運営主体のリバネス研究費と連携し、新しい沿岸海洋生物資源の保全を実現するための研究に対して支援を行います。今回、採択が決定した豊かな海を取り戻すためのアイデアを持つ研究者らが集まり、採択者への授与式と研究内容を発表します。